ヒポクラテスのおひとり言

コロナについての予想

ついに出る! コロナの飲み薬!!

ついに出る! コロナの飲み薬!!

 

歓迎! コロナの飲み薬

コロナの飲み薬(内服薬)が活気づいています。メルク社のコロナ内服薬、モルヌピラビルの一般使用がイギリスで認められました(11月4日)。またファイザー社のコロナ内服薬、パクスロビド臨床試験で、入院、死亡リスクを89%減少させるという画期的なデータを出してきました(11月5日)。モルヌピラビルもパクスロビドも投与群で死亡者はゼロです(ニセ薬を投与された対照の群ではコロナによる死亡者が出ています。ニセ薬とは、何の作用もない物です)。

いずれも400人程度の試験ですが、特にパクスロビドの効果は相当あると考えられます。ただ、副作用については意義のあるものは報告されていないようですが、試験の人数が少ないために今後出てくるかもしれません。この点は注意が必要ですが、現在もコロナの大きな流行にある欧米では速やかに使用されるでしょう。

コロナのワクチンが半年程度しか有効でない現在、飲み薬は待ちに待ったものです!というか、こんなに早く十分有効で副作用が少なそうな飲み薬が出てくるなんて、世の中の進歩は凄いと思います。さすがは、アメリカという所でしょうか。

 

ニセ薬(対照)の群で約400人中7~8人がコロナで死亡しているのに対して、コロナ薬が使用された約400人の群ではコロナの死者ゼロです。そしてはっきりとした副作用はなしとのことですから、今後コロナの飲み薬の拡大使用は当然されるはずです。4万人、40万人と投与される過程で問題のある副作用が報告される可能性はありますが、その間、800人(飲み薬の投与4万人に対して)、8000人(投与40万人に対して)の命を救うことができると単純に計算できます。つまり、報告された400人の成績で、すでに有益性あり! と判断されていると思われます。

飲み薬の拡大使用で、もし重大な副作用が報告された場合は、重症化リスクの高い人のみに使用が限られるかもしれません。

 

 

コロナ克服の道筋が見えてきました

もちろん、日本もすぐにパクスロビドを入手して使用可能な状況にすべきと思います。ただし、なかなか薬剤が大量には手に入らないでしょう。また、現在国内で感染者が減少しており、安全性のテストに時間がかかるかもしれません(コロナに感染してない人にボランティアで飲んでいただくという方法はあると思いますが)。

 

日本では3回目のワクチン接種が始まりますので、それでさらに半年程度の集団免疫の更新ができると思います。この3回目の予防接種で時間稼ぎができますその間に飲み薬のパクスロビド、モルヌピラビルが欧米で使用されるでしょう。日本は、その効果や副作用を見ながら国内での使用を速やかに整備しておくことができます。

世界中で飲み薬は求められるので、時間稼ぎをしておいても入手が困難かもしれません。同様のより有効で安全な薬は次々と開発されると思います。日本の製薬会社に注目です。また、複数の薬の併用でさらに有効となるでしょう。

 

日本での対応のポイント

飲み薬が国内で使用できるようになると、パクスロビドもモルヌピラビルも症状が出てから早期(発症後5日以内)に治療開始する必要があるので、迅速な検査によるコロナの診断が当然重要になるでしょう。コロナの検査所と、飲み薬を処方して治療する医療施設のリンクが大切だと思います。容体をずっと把握できるという点で、軽症者の入院施設がもっとも理想的でしょうが、柔軟な対応が求められると思います。クリニックに頑張っていただくというのも合理的かもしれません。

大量の酸素吸入が必要な感染者を受け入れていただける病棟は引き続き治療の生命線ですが、重症者は減少すると思われるので、拡張はしないでよいのかもしれません。ただ、臨機応変な対応はいつも大事だとは思いますが。

 

飲み薬が出るまでは、3回目のワクチンを適切なタイミング(65歳以上の人は2022年の1月中に、それ以外の人は2月中にと想定しています)で打つことが大切と考えます。早すぎると効果が早く切れるでしょう。逆に遅すぎるとコロナにかかってしまうかもしれません。10月27日のブログ(第六波は起こらない?)でのワクチンの効果は約半年であるお話を参考にしてくださればありがたいです。

 

飲み薬が使用できるようになっても、もちろん基本的な感染防止策はするべきです。マスクは着けて、不特定な人や大勢の人がいる所に行くことは警戒してできるだけ慎むべきと思います。ワクチンパスポートが利用される場所は、かなり安全だとは思います。11月3日のブログ(この冬、新型コロナウイルスにとり憑かれない ぞ)を参考にしてください。

 

コロナは続くよ?

飲み薬でコロナの重症化は、かなり防げるようになると思われます。しかし、重症化を防ぐと再感染を防ぐ免疫ができないかもしれません。飲み薬があればコロナの流行は防げる、という意味ではありません。インフルエンザも飲み薬がありますが、平気で流行します。

相変わらずコロナのワクチンが半年程度しか有効でないのであれば、コロナはずっと存在する可能性もあります。もしそうであれば、やはり何か別のアプローチが必要でしょう。これについては後日お話しさせてください。

 

2022年度にグッと明るさが出てきました。すぐにコロナを制圧することは難しいと思いますが、有効なワクチンと飲み薬の使用で、コロナに振り回されることなく、予測のできる生き生きとした日常生活を送れるようになると思います(コロナ以前に戻れるという意味ではありませんので、日常の感染対策をとりながらです)。