ヒポクラテスのおひとり言

コロナについての予想

新型コロナから解放される方法は?

新型コロナの流行を終わらせる方法は、集団免疫をつくり上げることです。

有効期間が短すぎることとコロナのスパイクの変異について行けないことから、最も有効だと思われた現行のワクチンは無理だと思われます。

そのため、現在もっとも有力な集団免疫を得る方法は、新型コロナに感染すること、そのものです。幸いオミクロンによって大量の感染者を出しながらも医療崩壊をおこした国は、今のところありません。将来的には出るかもしれませんが、新型コロナの変異株の中で、オミクロンは感染による集団免疫の達成には役に立つかもしれません。

2022年1月に入って、欧米はオミクロン感染で一日数十万人の感染者を出しています。このペースで感染が続くと、人口の60%が感染して集団免疫が達成されるのに、イギリスであと4か月、フランスで6が月、アメリカで9カ月です。日本では今までの感染者が少なく、一日60万人程度感染すると4か月で集団免疫が達成されます。

現在、この世に存在しませんがクレオカプシドのワクチン(2021年11 月30日のブログ参考)ができれば、永続的なコロナと肉弾戦をする細胞(細胞性免疫)を作り出せるので、速やかに集団免疫を達成できると思います。

 

下の図1のように、新型コロナから解放されるコースは3種類あると思います。

日本は、新型コロナの流行を最小限に抑えた優秀な国です。しかし、その結果感染による集団免疫の成立には道のりが遠いという現実があります。下図1のコース①で新型コロナから解放されたいところですが、現在の感染率が人口の1.3%と低いので、苦しいかもしれません。コース①から②に移行して、何とか集団免疫を成立させるかもしれません。コース③のヌクレオカプシドのワクチンが出来れば問題ありません。

あるいは、図2 のコース①Bのように、日本がオミクロンで集団免疫に到達できず、他の多くの国が集団免疫を成立させている場合もありえます。集団免疫を獲得した国で発生する、弱って風邪となった新型コロナが、日本で流行することによってようやく集団免疫を達成できるケースです。私は、このパターンが最もあり得るのではと今は思っています。

 

図1 新型コロナから解放される3つのコース

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図1の説明

コース①

オミクロンの大流行で大半の人が感染し、新型コロナは単なる風邪となる場合です。感染によって集団免疫ができます。

オミクロン感染による重症者数がコントロールでき、死亡者が十分に抑えられる必要があります。

この集団免疫は、スパイクの変異に影響を受けず、肉弾戦をする細胞が作り出すもの(細胞性免疫)と考えられます。細胞性免疫によって、次の変異株の流行は阻止されます。

現行のスパイクのワクチンは、作られる中和抗体が速やかに減少するため有効期間が限定的です。また、オミクロンの変異のため効果が落ちています。スパイクのワクチンは、感染のスピードを低下させて医療ひっ迫を防ぐのが主な役割と判断できます。

 

コース②

オミクロンの流行に置き換わって、新たな変異株が次々と出現する場合です。この場合新たな変異株はオミクロンより感染力が強いはずです。感染による集団免疫が達成されるまで、変異株の出現が繰り返されます。

交代する変異株ではウイルスの毒力(感染による重症化率)は低下し易いかもしれません。スパイク以外の場所にも変異が入り、毒力に関連したウイルスの部位が障害を受けるためです。しかし毒力が増すこともあり得ます。感染力が上がる事で細胞へのダメージが強まったり、毒力が以前の株に戻ったり、偶然に毒力が強まる変異が入ることもあり得ます。

いずれにせよ、感染による集団免疫ができるまで、長い時間がかかります。

 

コース

クレオカプシドのワクチンが開発された場合です。

変異のほとんどないヌクレオカプシドのワクチンは、スパイクの変異の影響を受けません。どんな変異株に対しても、大いに感染を減少させ重症化を抑制できるはずです。ヌクレオカプシドのワクチンで鍛えられた肉弾戦をする細胞(細胞性免疫)は、感染による集団免疫(コース①)でできた細胞性免疫と同様な効果が期待できます。クレオカプシドのワクチンによって、感染による犠牲を強いることなく、短期間で持続的な集団免疫が達成できるでしょう(2021年11 月30日のブログ参考)。

変異の激しいスパイクのワクチンで、肉弾戦をする細胞を鍛える(有効な細胞性免疫を得る)のは間違いだと思います。変異のため当てが外れた、弱い免疫しかできないはずです。図3にスパイクとヌクレオカプシドの違いを示しています。

 

図2 コース①Aと①B

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図2の説明 日本では現在までの新型コロナの感染率が低いため、オミクロンの大きな感染があっても、感染による集団免疫に到達できない場合です。特に、製作中のオミクロンのスパイクに対するワクチンが使用されると、オミクロン感染は一時的に収束するでしょう。その間、集団免疫に達した国では、新型コロナは弱い風邪ウイルスになっているでしょう。この弱い風邪ウイルスに感染することによって、他国に遅れて集団免疫に達するケースです。

 

図3 スパイクとヌクレオカプシドの違いは下の図を見てください。

スパイクは髪の毛のようにウイルスの表面に出ており、しょっちゅう形を変えます(変異する)。 ヌクレオカプシドはウイルス内にあり、めったに変化しません(変異しない)。

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スペイン風邪のお話し

スペイン風邪は1918年から約2年間、全世界で大流行したA型インフルエンザです。世界人口の約1/3(5億人)が感染し、死者数は5000万人と推定されています。

2年間で大まかに3つの波がありました。ウイルスの毒力は第2波で非常に強くなり、多数の死者がでました。第3波では毒力は弱くなったようです。感染拡大による集団免疫によってスペイン風邪は収束したと考えられています。

現在流行するA型インフルエンザのあるものは、スペイン風邪の子孫と考えられています。ウイルスの弱毒化(重症化率の低下)は、人の集団免疫によってウイルスが変化したためにおこる結果と考えられます。

 

スペイン風邪のように、新型コロナも多くの人が感染して集団免疫が形成されるか、それに代わることが出来るヌクレオカプシドのワクチンが必要なことがわかります。この種のワクチンは、持続的かつウイルスの変異に影響されない細胞性免疫をつくれるワクチンです。