ヒポクラテスのおひとり言

コロナについての予想

オミクロン後も考えなくては

オミクロン感染の収束は何を意味する?

オミクロン感染が急激に減少している地域が少なくとも5つあります。ニューヨーク市、ロンドン、南アフリカ、カナダ、沖縄です。1カ月程度で急激に上昇し、急激に下がるというパターンが共通しているようです。

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オミクロン感染の収束には3タイプの要因が想定されます。

①感染拡大による集団免疫の達成

②3回目のワクチンの効果による一時的な減少

③ウイルスの世代がわり(いわゆるウイルスの自滅説に関連したもの)

 

ニューヨーク市55%の居住者が感染しており、①の集団免疫と考えます。新たな変異株を寄せ付けない、もっとも望ましい収束です。

 

ロンドンは感染率が24%で集団免疫に達していません。しかし、感染の急激な減少があります。検査されてない感染者がかなりいるため、実際は集団免疫ということもあるかもしれません。

あるいは、3回目のワクチンが奏功して、感染者が減ったという事もありえます。しかし、3回目のワクチンが有効なのは2か月半ですから、今後感染者が再び増加に転ずる可能性があります。

 

南アフリカはたったの6%の感染率です。これも、検査されていない感染者が沢山いるならば集団免疫かもしれませんが、あまりに低すぎます。 3回目のワクチンは接種率が低いので考える必要はありません。沖縄も同様です(まだ感染者が減少し始めたばかりなので、はっきりとはしていません)。カナダは3回目ワクチン接種率がやや高いですが、感染率が低く、感染者の低下を説明できません。

 

ロンドン、南アフリカ、カナダ、沖縄は感染による集団免疫に達していませんので、③ウイルスの世代がわり、がありえます。個人的には、“ウイルスの自滅”は好ましい表現と思いません。また、ある集団の自滅は、しばしばその後の空き地に、別の大きな集団が入り込む余地となります。もし、オミクロンが何らかの問題を抱えていて消え去ったのなら、次の変異株がそのうちやって来ることを暗示します。

今後のロンドン、南アフリカ、カナダ、沖縄の状況が事実を見せてくれるはずです。

また、日本の感染率は1.6%ですので、ロンドン、南アフリカ、カナダのような地域が日本の進む道の参考になると思います。

 

オミクロン後はどうなる?

もちろん、オミクロン感染で集団免疫が達成できれば、あらゆる新型コロナに対して強い抵抗力ができるので、心配はなくなります。

ところがオミクロンが、忽然と消え去る性質を持っているとすると、集団免疫ができないかもしれません。その後はどうなるでしょうか?

 

しばらく新型コロナの存在しない、穏やかな日々が続くのでしょうか?約20年前に出現し7~8カ月で消え去ったサーズ(SARS-CoV)と今回のCOVID-19(SARS-CoV-2)は遺伝子が非常に似ています。COVID-19が原因不明で消え去った後、数十年して”やっぱり戻ってきた”ということはあるかもしれません。

 

あるいは、次々と新手の変異株が出現するかもしれません。オミクロンが消え去った後、しばらくして変異株が現れる場合、その感染力や毒力は未知数になるでしょう。オミクロンと重なって現れる場合、オミクロンより感染力が強く毒力は弱いことが想定されます。

もう一つの可能性として、オミクロンが消え去って後、デルタが復活するケースもないと言い切れません。

 

オミクロン感染拡大で重症者が増えたり、医療や社会が傷つくのは心配ですが、オミクロンの動きにも目が離せません。