ヒポクラテスのおひとり言

コロナについての予想

オミクロンの登場で、新型コロナは最新型に。感染は最大になる?

オミクロンの感染力はつよい!

新型コロナ感染の落ち着いていた南アフリカで、オミクロンの感染増加のスピードはデルタ以上です。

オミクロンは、イギリスでデルタ以上の家庭内感染力、濃厚接触者への感染力を示しました。また、イギリスでデルタの感染が蔓延しているにもかかわらず、オミクロンの感染は急激に増えています。

既存のワクチンの影響によらず、オミクロンの感染力はデルタより十分強いと考えられます。驚いたことに、新型コロナはまだ進化をしていて、オミクロンを生み出し最新型となったようです。

 

 

オミクロンでは、重症化はあまりないのかな?

南アフリカでは、入院した人はいないと報道されていました。また、南アフリカでオミクロンの拡大は11月中旬からですが、1か月後も死者は増えていません(デルタの時は死者数が1カ月後には増えていました)。

アメリカでも43人の感染者から重症者は出ていません。

イギリスでは12月13日現在、1200人以上のオミクロン感染者が出ていますが死亡者は1人です。

ワクチンの効果で重症化が抑えられている可能性もありますが、南アフリカのワクチン接種率は低く、オミクロン自体の毒力が弱い可能性も考えられます。

 

ただし、イギリスは12月11 日に恐ろしい予想を出してきました。

イギリスでの12月から2022年4月末までの試算。

楽観的な場合、感染者2090万人 死者2万4700人 死亡率0.1%

悲観的な場合、感染者3420万人 死者7万4900人 死亡率0.2%

(イギリスでの12/13までの死亡率は1.3%です)

 

幸いなことにオミクロンによる重症化率はデルタより低いと思われますが、まだ不確実です。

重症化率が低くても感染者が増えれば、当然死亡者が増えます。オミクロンの巨大な波で、各国の対応は総崩れになる恐れもあります。

 

 

オミクロンで日本はどうなる? どうする?

日本ではデルタに90万人以上が感染し、3500人以上が死亡しました。オミクロンによる死亡率が0.1%であっても、3倍の270万人が感染すれば、死者は2700人となります(イギリスではオミクロンの家庭内感染はデルタの3倍超と推定されています)。医療の混乱がおこるでしょうが、デルタよりたくさんの軽症者がでますから、その対応が求められます。

在宅やホテル隔離の感染者の円滑で効果的な対応が必要と思います(11月9日のブログも参考にしてください)。近隣の施設からの電話、メール、あるいは見守りカメラでの病状の把握が基本と思います。何らかの変化が起こった場合の医療関係者の遠隔診療、そして悪化した場合の入院ができるだけスムーズになればよいのですが。言うは易し、行うのは難しで、お役所や医療関係者の方々は頭を痛めておられると存じます。

小さな単位の地域のお役所が中枢となり、クリニック、訪問看護、ヘルパーさん等、あるいは近所の有志に病状の把握を依頼し、軽くて柔軟なフットワークで感染者に対応するのが効果的かなとは思います。

 

 

今のワクチンはオミクロンにどうなのよ?

ワクチンによる抗体の中和能力は、オミクロンに対して約1/30あるいは1/40と報告されました。ワクチンの効果はオミクロンに対してすごく低下しています

ファイザー社、あるいはイスラエルの研究者はワクチンの2回接種では効果はないが3回目で効果があると言っています。

日本の水際での感染者もワクチンを2回接種済みでした(1例目接種済。2例目10月完了。3例目8月完了)。また、19人のオミクロンクラスターを出したポルトガルのサッカーチームのメンバーもほとんどがワクチンを接種していました。

 

本当に3回目の接種でオミクロンの感染を防げるのでしょうか?

アメリカのオミクロン感染者43人に、3回目を接種した人が14人含まれています。また、ファイザー社はすでに、4回目の接種が必要と発表しています。

これらのことから、3回目のワクチンはオミクロンに対して、効果が限定的で接種後一定の短い期間しか続かないと考えられます。デルタ株についてもワクチンの効果は約半年ですので(11月16日のブログを見て下さい)、オミクロンはさらに短いと思われます。

オミクロンによる重症化はワクチン2回接種で防げるとのことですが、ワクチンの効果なのかオミクロンの毒力が弱いのかは情報が不足しています。

 

3回目のワクチンはオミクロンに対して、効果が弱いけど効果はあるのだから打ってよいと考えられます。他にオミクロンに有効な方法は実用化されていません。

コロナの飲み薬は使用されるでしょうが、広く実用化されるか不明です。ファイザー社のコロナの飲み薬はコロナのタンパク質(3CLプロテアーゼ)を邪魔します。オミクロンでは3CLプロテアーゼに一カ所変異がありますが、変異は重要な構造体にはないので、飲み薬は十分に効くと思われます。ただ、副作用などは実際に使用されてみないとわかりません(11月9日のブログ 遂に出る! コロナの飲み薬!! を見てください)。

コロナの飲み薬が実用化されても、やはり3回目のワクチンを打っておいた方がいいと思われます。オミクロンに対して決定的な対応の方法がなく、感染者が膨大な数となって総崩れの恐れがある以上、3回目のワクチン接種は妥当な選択と思います。

 

何よりも、日本では2回目のワクチンの予防効果がなくなる時期に来ています、デルタを生き返らせないために3回目のワクチン接種が必要です(11月16日のブログ 3度目のコロナワクチン接種で第六波を回避! でその後は? を見てください)。

そして、コロナの進化に対応してコロナを克服するには、新型コロナの変異に影響されないヌクレオカプシドのワクチンが必要です! ヌクレオカプシドの次世代ワクチンが鍵です(11月30日のブログ、どうか次世代コロナワクチンをつくって! ワクチンの改良をお願いします、ヌクレオカプシドのワクチンです! を見てください)。

 

 

どうして、オミクロンは感染力が高いのに重症化が少ないのでしょうか?

偶然に弱毒化(重症化が少ない)したのではという可能性があります。

オミクロンはそのスパイクにたくさんの変異を入れて感染力を高めたために、その他の部位にも偶然に変異が入って、ウイルスの生産量や人体内での振る舞いが変化して弱毒化したというケースです。この場合、弱毒化はオミクロンにとっていいチョイスでないかもしれません。今後、毒力が増すこともあり得ます

オミクロンが大流行すれば感染者集団が大きくなり、その集団から除かれるような圧力がオミクロンにかかります。その時には、感染拡大をもたらすような毒力の変化は存在できなくなると考えられます。

新型コロナは世界的な流行をしていますが、新型コロナの変異が感染者集団の影響を受けるような感染の規模に達していません(12/14現在、世界の感染者は2.7億人で、人口は約80億人です)。ただし、実際の感染者が報告されている10倍いるなら(PCR検査で把握できていない感染者が10倍存在すれば)、その可能性はあるかもしれません。やはり、オミクロンによる毒力(重症化率)は変化するかもしれませんし、オミクロンに続く変異株の毒力が低下する保証はありません。

 

ただし、オミクロンが台風のように、感染力(速度)をあげながら、勢力(毒力)を落して、消えてゆくというケースもあるかもしれません。世界中で一気に感染が進み、毒力が回復する変異が入るスキがないうちに、世界中に感染による集団免疫が成立する場合です。一気に新型コロナが滅亡するという、かなり利己的なストーリーですが、感染者は恐ろしい勢いで増えるので、世の中は大混乱に陥るかもしれません。

 

オミクロンとその後はどうなるかわかりません。

まずは3回目のワクチンを接種してデルタを抑えておいて、毒力の弱いオミクロンが通り過ぎるのを待つことになると思います。新型コロナの性格を認識して、感染リスクをできるだけ減らす生活が重要です。オミクロンはデルタより感染力が強いので、マスクが万全ではないこと、ウイルスが空中で生きて漂っていることに注意してください(11月3日のブログ この冬、新型コロナウイルスにとり着かれない ぞ を参考にしてください)。

そして、安全な場所ではリラックスして過ごすのが大事だと思います。重症化の頻度は当面、低いのですから、ある意味安心です。また、コロナの飲み薬が役に立つことを期待しています。

 

オミクロン、そしてオミクロンの後継コロナへの切り札は、やはりヌクレオカプシドの次世代ワクチンと考えます(11月30日のブログ、どうか次世代コロナワクチンをつくって! ワクチンの改良をお願いします、ヌクレオカプシドのワクチンです! を見てください)。