ヒポクラテスのおひとり言

コロナについての予想

オミクロン感染に備えましょう

大感染は避けられない。

感染拡大は恐ろしい言葉ですが、オミクロンでの重症化は、アルファやデルタに比べてとても減っています。その意味では、より安全な変異株です。

感染による集団免疫を達成して新型コロナから解放されるために、重症化率が低くて、感染力が強いオミクロンに自然に感染してしまうことは、許容されてもいいかもしれません。というより、どんなに抵抗しても大感染がおこります。

 

オミクロン感染を受けてしまう、その心がまえを。

個人の基本的な感染防止対策はとても重要です。巨大すぎる感染爆発を防がなければいけません。大き過ぎた爆発は医療を崩壊させます。

空中を漂う目に見えない、生きたコロナウイルスを意識しましょう。マスクは漏れがあるので、着用だけでは万全ではありません。

 

有効なコロナの飲み薬を、体力の低い老人や基礎疾患のある人が感染したら、すぐに届のよう集中配備しておくと重症化を効果的に阻止できると思います。ファイザー社の飲み薬もですが、国産のシオノギの飲み薬にとても期待しています。

飲み薬は、発症後5日以内でないと効果ないとされています。一刻も早い飲み薬の使用のため、PCR検査と薬の処方、配達を直結させることが、救命につながるポイントと思います。

 

③感染者が重症になれば、医療従事者にお願いするしかありません。医療の負担を少しでも軽くするために、自宅隔離の感染者をこまめにお世話する様々なネットワークが重要です。

各自、自分が感染し隔離となることを考え、自分のネットワークやコミュニティーを確認し、お互いに複数の知人に連絡を取れるようにしておきましょう。保存できる食べ物を5日分はためておきましょう。

 

④現行のスパイクに対するワクチンは有効期間が短く、効果も落ちているので集団免疫の獲得には適しません。しかし追加接種で、感染のスピードを落とすのには重要なアイテムとなります。

ある集団の中で、全員が一度に接種すると、有効期間が切れるのもみんな同時となり、集団の機能がマヒするかもしれません。追加接種の時間をずらすのも選択肢です。ただし接種後、約10週程度しかオミクロンの感染を防御できないことを知っておくべきです。

 

⑤大感染のため、たくさんの人々が隔離される状態が続きます。会社、役所、学校等の組織がマヒして社会が止まらないように工夫が必要です。

 

クレオカプシドのワクチンは、感染による集団免疫に手間取った場合、一気に決着をつけられる究極の手段となります。もし、関係者の方がいらっしゃれば開発をお願いします。

 

最後に、重病を患っておられる方や、あきらかに感染が生命の危険を伴う方には、今のワクチンを3ヶ月おきに打つという手はあります。

新型コロナから解放される方法は?

新型コロナの流行を終わらせる方法は、集団免疫をつくり上げることです。

有効期間が短すぎることとコロナのスパイクの変異について行けないことから、最も有効だと思われた現行のワクチンは無理だと思われます。

そのため、現在もっとも有力な集団免疫を得る方法は、新型コロナに感染すること、そのものです。幸いオミクロンによって大量の感染者を出しながらも医療崩壊をおこした国は、今のところありません。将来的には出るかもしれませんが、新型コロナの変異株の中で、オミクロンは感染による集団免疫の達成には役に立つかもしれません。

2022年1月に入って、欧米はオミクロン感染で一日数十万人の感染者を出しています。このペースで感染が続くと、人口の60%が感染して集団免疫が達成されるのに、イギリスであと4か月、フランスで6が月、アメリカで9カ月です。日本では今までの感染者が少なく、一日60万人程度感染すると4か月で集団免疫が達成されます。

現在、この世に存在しませんがクレオカプシドのワクチン(2021年11 月30日のブログ参考)ができれば、永続的なコロナと肉弾戦をする細胞(細胞性免疫)を作り出せるので、速やかに集団免疫を達成できると思います。

 

下の図1のように、新型コロナから解放されるコースは3種類あると思います。

日本は、新型コロナの流行を最小限に抑えた優秀な国です。しかし、その結果感染による集団免疫の成立には道のりが遠いという現実があります。下図1のコース①で新型コロナから解放されたいところですが、現在の感染率が人口の1.3%と低いので、苦しいかもしれません。コース①から②に移行して、何とか集団免疫を成立させるかもしれません。コース③のヌクレオカプシドのワクチンが出来れば問題ありません。

あるいは、図2 のコース①Bのように、日本がオミクロンで集団免疫に到達できず、他の多くの国が集団免疫を成立させている場合もありえます。集団免疫を獲得した国で発生する、弱って風邪となった新型コロナが、日本で流行することによってようやく集団免疫を達成できるケースです。私は、このパターンが最もあり得るのではと今は思っています。

 

図1 新型コロナから解放される3つのコース

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図1の説明

コース①

オミクロンの大流行で大半の人が感染し、新型コロナは単なる風邪となる場合です。感染によって集団免疫ができます。

オミクロン感染による重症者数がコントロールでき、死亡者が十分に抑えられる必要があります。

この集団免疫は、スパイクの変異に影響を受けず、肉弾戦をする細胞が作り出すもの(細胞性免疫)と考えられます。細胞性免疫によって、次の変異株の流行は阻止されます。

現行のスパイクのワクチンは、作られる中和抗体が速やかに減少するため有効期間が限定的です。また、オミクロンの変異のため効果が落ちています。スパイクのワクチンは、感染のスピードを低下させて医療ひっ迫を防ぐのが主な役割と判断できます。

 

コース②

オミクロンの流行に置き換わって、新たな変異株が次々と出現する場合です。この場合新たな変異株はオミクロンより感染力が強いはずです。感染による集団免疫が達成されるまで、変異株の出現が繰り返されます。

交代する変異株ではウイルスの毒力(感染による重症化率)は低下し易いかもしれません。スパイク以外の場所にも変異が入り、毒力に関連したウイルスの部位が障害を受けるためです。しかし毒力が増すこともあり得ます。感染力が上がる事で細胞へのダメージが強まったり、毒力が以前の株に戻ったり、偶然に毒力が強まる変異が入ることもあり得ます。

いずれにせよ、感染による集団免疫ができるまで、長い時間がかかります。

 

コース

クレオカプシドのワクチンが開発された場合です。

変異のほとんどないヌクレオカプシドのワクチンは、スパイクの変異の影響を受けません。どんな変異株に対しても、大いに感染を減少させ重症化を抑制できるはずです。ヌクレオカプシドのワクチンで鍛えられた肉弾戦をする細胞(細胞性免疫)は、感染による集団免疫(コース①)でできた細胞性免疫と同様な効果が期待できます。クレオカプシドのワクチンによって、感染による犠牲を強いることなく、短期間で持続的な集団免疫が達成できるでしょう(2021年11 月30日のブログ参考)。

変異の激しいスパイクのワクチンで、肉弾戦をする細胞を鍛える(有効な細胞性免疫を得る)のは間違いだと思います。変異のため当てが外れた、弱い免疫しかできないはずです。図3にスパイクとヌクレオカプシドの違いを示しています。

 

図2 コース①Aと①B

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図2の説明 日本では現在までの新型コロナの感染率が低いため、オミクロンの大きな感染があっても、感染による集団免疫に到達できない場合です。特に、製作中のオミクロンのスパイクに対するワクチンが使用されると、オミクロン感染は一時的に収束するでしょう。その間、集団免疫に達した国では、新型コロナは弱い風邪ウイルスになっているでしょう。この弱い風邪ウイルスに感染することによって、他国に遅れて集団免疫に達するケースです。

 

図3 スパイクとヌクレオカプシドの違いは下の図を見てください。

スパイクは髪の毛のようにウイルスの表面に出ており、しょっちゅう形を変えます(変異する)。 ヌクレオカプシドはウイルス内にあり、めったに変化しません(変異しない)。

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スペイン風邪のお話し

スペイン風邪は1918年から約2年間、全世界で大流行したA型インフルエンザです。世界人口の約1/3(5億人)が感染し、死者数は5000万人と推定されています。

2年間で大まかに3つの波がありました。ウイルスの毒力は第2波で非常に強くなり、多数の死者がでました。第3波では毒力は弱くなったようです。感染拡大による集団免疫によってスペイン風邪は収束したと考えられています。

現在流行するA型インフルエンザのあるものは、スペイン風邪の子孫と考えられています。ウイルスの弱毒化(重症化率の低下)は、人の集団免疫によってウイルスが変化したためにおこる結果と考えられます。

 

スペイン風邪のように、新型コロナも多くの人が感染して集団免疫が形成されるか、それに代わることが出来るヌクレオカプシドのワクチンが必要なことがわかります。この種のワクチンは、持続的かつウイルスの変異に影響されない細胞性免疫をつくれるワクチンです。

オミクロンによる第六波がやってくる

2022年の2月頃には第六波がはじまる?

オミクロンは感染力が強いため、いつか必ず国内に侵入するはずです。イギリスでは、オミクロンは11月末にはじめて確認されました。12月18日にはオミクロン感染者は1万人を超えました。3週間程度で1万人の感染者となっています。また、感染者が倍になるのに2-3日と言われています。

日本では水際対策が効果を発揮していますが、新型コロナは無症状でPCR陰性でも感染していることがあり、いずれ国内でオミクロンは広がるでしょう。2022年の1月中には、はっきりとした市中感染が始まるのではと思います。マスク着用で会話は控えめで、感染対策を理解している人々が多い日本でも、2月末には1日数千人の感染者になると予想します。

11月16日のブログ(3度目のコロナワクチン接種で第六波を回避! でその後は?)で、第六波はあっても2022年の春先と予想しましたが、オミクロンの登場で状況が変わりました。

2022年の1月には3回目のワクチン接種を広く開始した方がよいのかもしれません。オミクロンの登場でワクチン2回目からの期間ではなく、オミクロンが大流行する前に3回目を打つほうがよいと思われます。政府によって既に開始されているようなので、ありがたいことです。もちろん、3回目の接種でデルタの再流行を防ぐことはできるはずです。

今年の年末年始は、新型コロナを警戒しての生活には変わりありませんが、2020年の12月、2021年の1月と比べ随分と楽しめる時間があると思っています。政府の方針と皆さんの頑張りが、この比較的安全な時間帯を作りだしたと思います。厳しい生活を強いられている方々には、社会からの的確な援助を期待します。

 

3回目のワクチン接種では、オミクロンを止められない。

現行のワクチン3回目を打っても接種後数ヶ月で、再上昇した抗体がどんどん減っていきます。そのため、ワクチンの効果が落ちた端から感染していく可能性があります。接種して数ヶ月以内に感染した場合、より軽症で済むかもしれませんが、今のところ不明です。

ワクチンの効果が薄いため、オミクロン感染による第六波は、長引く可能性があります。デルタのように、多くの年代でワクチン接種が進んで第五波を抑え込んだ時の様に、スパッと切ることができないでしょう。長期戦となるため、オミクロンの毒力(重症化率)が弱いとはいえ、重症者が溜まっていく可能性があります。

医療従事者も感染するでしょう。感染すれば、残りのスタッフに負担がかかり悪循環が始まります。2020年に新型コロナが日本に侵入してきた時のことが思い出されます。ある意味、振出しに戻った感があります。医療ひっ迫のレベルになるかどうかが最大のヤマ場となるでしょう。

重症者が増えないようにと願っています。

オミクロンによる重症化率が低いことが救いですが、今までずっと重要であった、人と人との接触の低減は基本的な対策です。さらに、飲み薬による重症化の抑制と感染拡大の抑制が役に立つと思います。シオノギの新薬に期待します。

 

オミクロンを劇的に減少させるには、今はオミクロンのスパイクに対応するワクチンが実用化されるのを待つしかないと思います。簡単な臨床試験を経て、各国で奪い合いとなるであろうオミクロン対応ワクチンを十分揃えるには、1年近くかかるかもしれません。

さらに、このオミクロンのスパイク対応ワクチンが効かない、オミクロン後の変異株もそのうち出現すると思います(デルタが再来するかもしれませんが)。

クレオカプシドの次世代ワクチンさえあれば、この苦境を防ぐことが出来ると考えます(11月30日のブログ、どうか次世代コロナワクチンをつくって! ワクチンの改良をお願いします、ヌクレオカプシドのワクチンです! を見てください)。ヌクレオカプシドの次世代ワクチンはあらゆる新型コロナの変異株に対応し、効果は長期間持続するはずです。

 

 

オミクロンを利用するオプション作戦

考え方を変えるのも時にお助けになります。

オミクロンの毒力が弱いなら天然の弱毒化ワクチンととらえ、感染による集団免疫に走る選択肢(すなわち、ほったらかしにする) はアイデアとしてはあります。

オミクロンでデルタを絶滅させて、オミクロンが世界中の人々に免疫を残すと、新型コロナによる大騒動は鎮火するという、ちょっと虫のいいストーリーです。

しかし、オミクロンが感染を拡大する時に医療崩壊をおこしてしまうリスクがありますから、かなり危険な賭けになるでしょう。また、途中でオミクロンの毒力が変化して、重症化しやすくなるかもしれません。

 

楽観的な方がいい

オミクロンによる重症化率は低く、現行のワクチンが重症化を防ぐかもしれないこと、さらには飲み薬も登場することから、2020の年末よりは状況は明るいと思います。

デルタからオミクロンに置き換わった国で、今後重症者が減ればさらに明るくなります。

オミクロンの登場で、新型コロナは最新型に。感染は最大になる?

オミクロンの感染力はつよい!

新型コロナ感染の落ち着いていた南アフリカで、オミクロンの感染増加のスピードはデルタ以上です。

オミクロンは、イギリスでデルタ以上の家庭内感染力、濃厚接触者への感染力を示しました。また、イギリスでデルタの感染が蔓延しているにもかかわらず、オミクロンの感染は急激に増えています。

既存のワクチンの影響によらず、オミクロンの感染力はデルタより十分強いと考えられます。驚いたことに、新型コロナはまだ進化をしていて、オミクロンを生み出し最新型となったようです。

 

 

オミクロンでは、重症化はあまりないのかな?

南アフリカでは、入院した人はいないと報道されていました。また、南アフリカでオミクロンの拡大は11月中旬からですが、1か月後も死者は増えていません(デルタの時は死者数が1カ月後には増えていました)。

アメリカでも43人の感染者から重症者は出ていません。

イギリスでは12月13日現在、1200人以上のオミクロン感染者が出ていますが死亡者は1人です。

ワクチンの効果で重症化が抑えられている可能性もありますが、南アフリカのワクチン接種率は低く、オミクロン自体の毒力が弱い可能性も考えられます。

 

ただし、イギリスは12月11 日に恐ろしい予想を出してきました。

イギリスでの12月から2022年4月末までの試算。

楽観的な場合、感染者2090万人 死者2万4700人 死亡率0.1%

悲観的な場合、感染者3420万人 死者7万4900人 死亡率0.2%

(イギリスでの12/13までの死亡率は1.3%です)

 

幸いなことにオミクロンによる重症化率はデルタより低いと思われますが、まだ不確実です。

重症化率が低くても感染者が増えれば、当然死亡者が増えます。オミクロンの巨大な波で、各国の対応は総崩れになる恐れもあります。

 

 

オミクロンで日本はどうなる? どうする?

日本ではデルタに90万人以上が感染し、3500人以上が死亡しました。オミクロンによる死亡率が0.1%であっても、3倍の270万人が感染すれば、死者は2700人となります(イギリスではオミクロンの家庭内感染はデルタの3倍超と推定されています)。医療の混乱がおこるでしょうが、デルタよりたくさんの軽症者がでますから、その対応が求められます。

在宅やホテル隔離の感染者の円滑で効果的な対応が必要と思います(11月9日のブログも参考にしてください)。近隣の施設からの電話、メール、あるいは見守りカメラでの病状の把握が基本と思います。何らかの変化が起こった場合の医療関係者の遠隔診療、そして悪化した場合の入院ができるだけスムーズになればよいのですが。言うは易し、行うのは難しで、お役所や医療関係者の方々は頭を痛めておられると存じます。

小さな単位の地域のお役所が中枢となり、クリニック、訪問看護、ヘルパーさん等、あるいは近所の有志に病状の把握を依頼し、軽くて柔軟なフットワークで感染者に対応するのが効果的かなとは思います。

 

 

今のワクチンはオミクロンにどうなのよ?

ワクチンによる抗体の中和能力は、オミクロンに対して約1/30あるいは1/40と報告されました。ワクチンの効果はオミクロンに対してすごく低下しています

ファイザー社、あるいはイスラエルの研究者はワクチンの2回接種では効果はないが3回目で効果があると言っています。

日本の水際での感染者もワクチンを2回接種済みでした(1例目接種済。2例目10月完了。3例目8月完了)。また、19人のオミクロンクラスターを出したポルトガルのサッカーチームのメンバーもほとんどがワクチンを接種していました。

 

本当に3回目の接種でオミクロンの感染を防げるのでしょうか?

アメリカのオミクロン感染者43人に、3回目を接種した人が14人含まれています。また、ファイザー社はすでに、4回目の接種が必要と発表しています。

これらのことから、3回目のワクチンはオミクロンに対して、効果が限定的で接種後一定の短い期間しか続かないと考えられます。デルタ株についてもワクチンの効果は約半年ですので(11月16日のブログを見て下さい)、オミクロンはさらに短いと思われます。

オミクロンによる重症化はワクチン2回接種で防げるとのことですが、ワクチンの効果なのかオミクロンの毒力が弱いのかは情報が不足しています。

 

3回目のワクチンはオミクロンに対して、効果が弱いけど効果はあるのだから打ってよいと考えられます。他にオミクロンに有効な方法は実用化されていません。

コロナの飲み薬は使用されるでしょうが、広く実用化されるか不明です。ファイザー社のコロナの飲み薬はコロナのタンパク質(3CLプロテアーゼ)を邪魔します。オミクロンでは3CLプロテアーゼに一カ所変異がありますが、変異は重要な構造体にはないので、飲み薬は十分に効くと思われます。ただ、副作用などは実際に使用されてみないとわかりません(11月9日のブログ 遂に出る! コロナの飲み薬!! を見てください)。

コロナの飲み薬が実用化されても、やはり3回目のワクチンを打っておいた方がいいと思われます。オミクロンに対して決定的な対応の方法がなく、感染者が膨大な数となって総崩れの恐れがある以上、3回目のワクチン接種は妥当な選択と思います。

 

何よりも、日本では2回目のワクチンの予防効果がなくなる時期に来ています、デルタを生き返らせないために3回目のワクチン接種が必要です(11月16日のブログ 3度目のコロナワクチン接種で第六波を回避! でその後は? を見てください)。

そして、コロナの進化に対応してコロナを克服するには、新型コロナの変異に影響されないヌクレオカプシドのワクチンが必要です! ヌクレオカプシドの次世代ワクチンが鍵です(11月30日のブログ、どうか次世代コロナワクチンをつくって! ワクチンの改良をお願いします、ヌクレオカプシドのワクチンです! を見てください)。

 

 

どうして、オミクロンは感染力が高いのに重症化が少ないのでしょうか?

偶然に弱毒化(重症化が少ない)したのではという可能性があります。

オミクロンはそのスパイクにたくさんの変異を入れて感染力を高めたために、その他の部位にも偶然に変異が入って、ウイルスの生産量や人体内での振る舞いが変化して弱毒化したというケースです。この場合、弱毒化はオミクロンにとっていいチョイスでないかもしれません。今後、毒力が増すこともあり得ます

オミクロンが大流行すれば感染者集団が大きくなり、その集団から除かれるような圧力がオミクロンにかかります。その時には、感染拡大をもたらすような毒力の変化は存在できなくなると考えられます。

新型コロナは世界的な流行をしていますが、新型コロナの変異が感染者集団の影響を受けるような感染の規模に達していません(12/14現在、世界の感染者は2.7億人で、人口は約80億人です)。ただし、実際の感染者が報告されている10倍いるなら(PCR検査で把握できていない感染者が10倍存在すれば)、その可能性はあるかもしれません。やはり、オミクロンによる毒力(重症化率)は変化するかもしれませんし、オミクロンに続く変異株の毒力が低下する保証はありません。

 

ただし、オミクロンが台風のように、感染力(速度)をあげながら、勢力(毒力)を落して、消えてゆくというケースもあるかもしれません。世界中で一気に感染が進み、毒力が回復する変異が入るスキがないうちに、世界中に感染による集団免疫が成立する場合です。一気に新型コロナが滅亡するという、かなり利己的なストーリーですが、感染者は恐ろしい勢いで増えるので、世の中は大混乱に陥るかもしれません。

 

オミクロンとその後はどうなるかわかりません。

まずは3回目のワクチンを接種してデルタを抑えておいて、毒力の弱いオミクロンが通り過ぎるのを待つことになると思います。新型コロナの性格を認識して、感染リスクをできるだけ減らす生活が重要です。オミクロンはデルタより感染力が強いので、マスクが万全ではないこと、ウイルスが空中で生きて漂っていることに注意してください(11月3日のブログ この冬、新型コロナウイルスにとり着かれない ぞ を参考にしてください)。

そして、安全な場所ではリラックスして過ごすのが大事だと思います。重症化の頻度は当面、低いのですから、ある意味安心です。また、コロナの飲み薬が役に立つことを期待しています。

 

オミクロン、そしてオミクロンの後継コロナへの切り札は、やはりヌクレオカプシドの次世代ワクチンと考えます(11月30日のブログ、どうか次世代コロナワクチンをつくって! ワクチンの改良をお願いします、ヌクレオカプシドのワクチンです! を見てください)。

どうか次世代コロナワクチンをつくって!  ワクチンの改良をお願いします、ヌクレオカプシドのワクチンです!

次世代コロナワクチンをつくってください!!

人に接種されたワクチンは、抗体というウイルスに対する飛び道具と、ウイルスと肉弾戦を展開する細胞(細胞性免疫)をつくりだします。

現行のコロナワクチンは、接種によってできる抗体がコロナウイルスの表面にあるスパイクに結合して、ウイルスが人の細胞に侵入するのを防ぎます。この、スパイクに対する中和抗体は確実に感染を防ぐことが期待できます。

ウイルスのスパイクは頭の髪の毛にたとえることもできます。コロナウイルスは変化するのが上手で、マイナーチェンジして髪型を変えます。この髪型の変化に対応できないと感染を許してしまい、さらには重症化してしまう(飛び道具も役に立たず、肉弾戦も失敗)ことになります。ワクチンを設計する時に髪型に対応するのも重要ですが、髪型は変化するので、別の方針が求められると思います。

 

図 新型コロナウイルスのスパイクとヌクレオカプシド

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この別の方針についての提案を2020年の5月に何回か政府関連の方々にメールでお願いしたことがあります。残念ながら十分にアピールできなかったようです(涙)。なので、今回は頑張りたいと思います。

ウイルスの中にはクレオカプシド(nucleocapsid)というタンパク質があります。これをワクチンのターゲットに加えれば、より強力で安定な(髪型の変化を問題としない)肉弾戦をする細胞をつくりだすことが出来ます。この肉弾戦をする細胞は極初期の感染を許すかもしれませんが(ウイルスの表面には作用しないため)、感染した細胞を効果的に取り除いて感染の拡大を確実に阻止できるでしょう。結果、感染は早期に終了し、無症状か軽症に止めることができるはずです。事実、新型コロナウイルス感染の重症化を防ぐのに、肉弾戦をする細胞が重要なことが著名な科学誌で発表されています。

現行のスパイクに対するワクチンでも肉弾戦をする細胞はできているはずですが、髪型を変える前のウイルスに対して設計されたものなので、効きが甘くなっていると考えられます。

そもそも、現行のワクチンは、ウイルスに結合してウイルスを無力化する飛び道具(中和抗体)の産生に特化しています。飛び道具をつくる細胞と肉弾戦をする細胞は情報を交換してネットワークを形成しますが、現行のコロナのワクチンで、持続的で強力な肉弾戦をする細胞ができるのか定かではありません。

 

クレオカプシドのワクチンなら、新型コロナの変異株にもずっと有効

今回の新型コロナウイルスは約20年前に中国、東南アジア、カナダ等で流行したSARS(サーズ)ウイルスの子孫と考えられます。ヌクレオカプシドはサーズウイルスと新型コロナウイルスでとてもよく似ています。ヌクレオカプシドについて、サーズに感染していた人の肉弾戦を担当する細胞は新型コロナウイルスにもよく反応すると報告されています。これを利用しない手はないと思います。肉弾戦をする細胞がよく反応するクレオカプシドのほとんどの部分に、デルタでもオミクロン(11月26日に名付けられた新手の変異株)でも変化はおこっていません

サーズが新型コロナウイルスという子孫を作り出したように、新型コロナウイルスが髪型(ウイルス表面のスパイクのたとえ)をフルモデルチェンジすれば、スパイクに対する現行のワクチンは全く無力となります。しかし、クレオカプシドはほとんど変化しないので、それを利用したワクチンは引き続き有効です。まさに、新たなコロナの変異株、オミクロンはこれに当たるかもしれません。また、20年前にサーズにかかった人の肉弾戦を担当する細胞が今も新型コロナのヌクレオカプシドに反応するという事から、クレオカプシドのワクチンは末永く有効と考えられます。次世代ワクチンとして理想的と考えます。

 

オミクロンとは何者?

11月26日にオミクロンと名付けられた変異株(正式にはB.1.1.529)は、ウイルスのスパイクの重要な部分(人の細胞に結合する部分で、RBDと呼ばれています)に、30カ所もの変異があります(デルタ株では2個)。また、南アフリカで急速にコロナの再流行がおこっており、そのほとんどがオミクロンと言われています。現状では、確かな情報はここまでです。オミクロンで重症化しやすいかどうかも不明です。

新型コロナウイルスはオミクロン以前の株でも感染の急拡大を起してきました。オミクロンがデルタを追いやってしまうほど感染力が強いかどうか、明らかな証拠がまだありません。オミクロンのスパイクには、とてもたくさんの変異があり、髪型がフルモデルチェンジされている可能性があります。そのため、ワクチンによる抗体が効かないのではと恐れられていますが、今のところ不明です。

オミクロンについての突っ込んだお話は、後日させてください。

 

デルタの後に続くのは、どんなコロナ?

新型コロナウイルスの髪(スパイク)は人の細胞の表面にあるACE2に結合します。ACE2は帽子にたとえられます。コロナの髪型の変化の中には、武漢で初めて報告された株より、帽子(ACE2のたとえ)によりフィットする髪型がありました。それらはアルファやデルタにあたります。

コロナの髪型のバリエーションはまだまだあって、今後出現する変異株はデルタよりもっと帽子にはまりやすい髪型をしていることはあり得ます。この場合、感染力は増強します。仮にオミクロンの感染力がデルタ株より強く、髪型が斬新すぎて(変異が多いため)現行のワクチンが効かなければ、確かに恐ろしいコロナが誕生したことになります。

 

一方で、帽子にピッタリはまる髪型は限られているから、武漢で最初に見つかったコロナの髪型より、さらにピッタリ帽子にはまる髪型はデルタを最後にもはや起こる確率がよほど低くなっていることもあり得ます。この場合、今後出現する変異株の感染力はデルタより落ちることになります。 以前、コロナ変異株のミューはアメリカに侵入しましたが、デルタに押されて広がりませんでした。

ただし、今後出現する変異株が、感染力の強いデルタに競り負けて流行を作れない場合でも、デルタがワクチンによる抗体で排除されれば、一気に広がる可能性があります。

仮にオミクロンの感染力が弱い場合でも、現在のワクチンが効かなければ、ワクチンが行きわたった場所(デルタ株がほぼ排除された場所)で危険な存在になる可能性があります。日本はその候補地かもしれません。

オミクロンの変異は数が多く特色があります。それらの変異には何か理由があったと考えたいです。オミクロンの感染力はデルタよりは弱く(それでも相当な感染力を維持している)、現行のワクチンはより効きにくいと予想しますが、今後のデータで変わるかもしれません。

 

新たな変異株の感染力によらず、現在のワクチンが有効な場合もあり得ます。そのケースなら、心配ないんじゃない? でいいのかもしれませんが、現行のワクチンの効果は約半年ですので、毎年2回の予防接種を延々と続けるという事になりそうです。

 

 

クレオカプシドのワクチンで、新型コロナの変異株を一網打尽に

オミクロンに限らず、髪型をフルモデルチェンジしたコロナウイルスは、今も流行をつくろうと日夜変異を試行錯誤していることでしょう。これらの新型コロナの子孫がどんな髪型をしてようと、ヌクレオカプシドのワクチンで一網打尽にできると考えます。ヌクレオカプシドの変異は少なく、オミクロン株でも4カ所しかありません

クレオカプシドのワクチンは、次世代のワクチンとしてコロナにとどめを刺す強力な武器になると思います。

 

急所を狙ってください!

クレオカプシドのなかでも、肉弾戦をする細胞が取っ組みやすい部分(アミノ酸配列)が報告されています。

クレオカプシドの101-120  MKDLSPRWYFYYLGTGPEAG

クレオカプシドの321-340 GMEVTPSGTWLTYTGAIKLD

出展 Bert NL, Nature 584, 457-462 (2020)

この部分をワクチンに利用すると、肉弾戦をする細胞は新型コロナウイルスに力強く取っ組み合いができるはずです。もちろんこの部分に、デルタでもオミクロンでも変異は全くありません(アルファにもラムダにもミューにも変異はありません)。

ワクチン作成については、ヌクレオカプシドのこの部位をRNAワクチンに組み込むのが手早いと考えます。

もっとも、ヌクレオカプシド全体を大腸菌等で組み換えタンパク質として作成し、タンパク質ワクチンとして利用するのも有効と思います(より大きなタンパク質をワクチンとして利用すると、より安定で強い免疫ができることがあります)。ヌクレオカプシドはウイルスの内部に存在するため、ADE(抗体依存性感染増強)は起こりません。抗体依存性感染増強とは、ワクチン等で生み出された抗体がウイルスに結合しても、感染を阻止する力がないために、返って感染が広がってしまうことです。

 

オミクロンと、さらに生み出されるであろう変異株に対して

オミクロンに対して、新たなスパイクに対応したワクチンが、迅速に用意されるとの発表がありますが、幾種類ものワクチンを年に何回も打つことになるのでしょうか?この調子で種類が増えれば、回数はますます増えることになります。

クレオカプシドのワクチンで、新型コロナの変異株を一網打尽にすることがより効果的でしょう。ぜひぜひ、この世界のどこか片隅から次世代ワクチンが彗星のように現れてほしいです。

 

どうかヌクレオカプシドの次世代ワクチンをつくって! ワクチンの改良をお願いします。

3度目のコロナワクチン接種で第六波を回避!  でその後は?

3度目のコロナワクチン接種で第六波を回避! でその後は?

今回はこの12月からはじまると発表された、3度目のワクチン接種についてお話しさせてください。

 

なぜ3度目のワクチン接種?

3度目のワクチン接種がなければ、第六波は確実に日本を襲うでしょう(10月27日のブログ 第六波は起こらない? をみてください)。

1年に3回接種する予防注射は、他にないわけではありません。4種混合ワクチンは、1歳になるまでに3回接種します。さらにもう1回接種することによって、何十年も有効となり、病気を防ぐことができます。

残念なことに、現行のコロナのワクチンは、約半年しか感染を防御する効果がありません。重症化はより長期に防ぐとされていますが、ワクチンを2回接種していても重症化するケースは決して少なくはありません。

2回ワクチン接種後の重症化をイスラエルと日本でのコロナ死亡率より考えてみます。

 

イスラエル

~6/23(デルタ株流行前)     死亡率0.77%     

6/24~11/1(デルタ株流行時)   死亡率0.35%

 

日本

~7/8  (デルタ株流行前)        死亡率1.8%

7/9~11/1(デルタ株流行時)   死亡率0.38

 

まず、イスラエルでは2回目ワクチンの効果が大きく減少した時にデルタ株が侵入しましたが、日本では年配の方々の2回目のワクチン接種が済んで間もない時にデルタ株の侵入がありました。ワクチンが効き始めの日本では、ワクチンの効果が薄れたイスラエルに比較してデルタ株流行時の死亡率がより抑えられたと考えられます。イスラエルのデルタ株流行は3度目のワクチン接種にて抑えられたので、もし3度目のワクチンがなければ、死亡率はもっと高くなったと推定されます。

イスラエルのデータからは、今後日本でワクチンの効果が大きく減った時に、デルタ株流行前の半分以上の死亡率が想定されます。2度のワクチンの効果が切れて、コロナが再流行するのは日本では来年の春先と考えられます(10月27日のブログ 第六波は起こらない? を参考にしてください)。3度目のワクチンの接種がなければ0.9%以上の死亡率となりえます。

 

3度目のワクチンでは終わらないでしょう

コロナワクチン、打つの大したことなかったしー。 な方々も多数いらっしゃると思います。高い熱が出て苦しまれた方も少なくないと思います。

3度目のワクチン接種で、減りつつあったコロナに対する抗体の量が再上昇するので、当然感染を防ぐ効果が復活します。春先の第六波を小さくする(あるいはなくする)ための唯一の切り札と考えられます。ただし、3度目の接種後もやはり抗体の量は減少していくと考えられます。3度目のワクチンでは、正直、3度では終わらないと思われます。そしたら、一体何回打てばいいのかな? と疑問が出ます。

 

現行のワクチンの問題点

現行のワクチンの問題はその持続性が短いことと共に、デルタ株に対して効果が低下していることです。ワクチンを設計した時点より、コロナウイルスがマイナーチェンジをしたために、ワクチンがターゲットの車(ウイルスのたとえ)を見分ける能力が落ちてしまいました。ファイザーやモデルナのRNAワクチンは人の細胞内に入りますから、抗体というウイルスに対する飛び道具がつくられることと同時に、ウイルスやウイルスが感染した細胞と肉弾戦をする細胞(この系を細胞性免疫といいます)の両方を作り出すことに長けています。

しかしながら現行のコロナワクチンでは、飛び道具の抗体はわりと簡単に弾切れを起こします。細胞性免疫は長続きすると考えられますが、車(ウイルスのたとえ)のモデルチェンジによって、肉弾戦をする細胞がターゲットを見つけづらくなっています。結果として、ワクチンの、感染と重症化を防ぐ能力が低下しています。

このまま、賽の河原のようにワクチンを何度も打ち続けるのが良い方法とは思えません。ワクチンの改良が必要と考えられます。

 

ワクチンなくても飲み薬があれば大丈夫、と今は言えない

つい最近、コロナの飲み薬が開発されて、入院や死亡を90%近く防ぐ(11月9日のブログ、ついに出る! コロナの飲み薬!! を見てください)とされているので、日本でも実用化されれば重症化はかなり防げるかもしれません。しかし、重症化を防ぐ飲み薬は、コロナの流行を阻止するものではありません(自宅療養での家庭内感染はある程度減らせるはずですが、このコロナは感染者が無症状でも伝染します。薬を飲み始める前に、既に他人にうつしているはずです)。

三度目のワクチンを打たずに、コロナの飲み薬を大規模にタイミングよく使用できた場合、第六波は起こりますが、死亡率を相当低下させることは可能と思われます。ただし、コロナの飲み薬が広く使用された時に期待どおりの効果を示し、大きな副作用もないということは、現時点では保証されていません(副作用もですが、飲み薬の投与の対象制限や使用のタイミング、もともと重病の人に有効か?等の不確かな因子がいくつもあります)。

飲み薬で重症化が防がれるなら、コロナが流行しても風邪のようなものだからいいんじゃない? という意見も出るでしょう。この考えが通用するかどうかは、コロナの飲み薬が広く実用化された後でしかわからないでしょう。

ワクチンの効果が切れてしまった状態で、飲み薬だけに頼ると、意外に死亡者が出てしまうという可能性もありえます。飲み薬に期待はありますが、思うようには運ばないことも十分あり得ます。過度な期待は、しばしば痛いしっぺ返しを食うことになります。

 

ワクチン接種後の抗体量は参考になるでしょう。

もし、延々と現行のワクチンを打ち続ける場合、ワクチン接種でできた抗体の量を知りたいところです。感染を防ぐには飛び道具の抗体だけではなく、肉弾戦をする細胞も重要です。血液中の抗体の量のみでは、感染を防げるか否かを決定することは簡単ではないと思われますが、抗体の量が感染の防御に直接関係しているのは間違いないことです。

そのうち、感染を防ぐ抗体の量(特に2回目接種の6カ月後)の目安が、どこかで発表されるのではと期待しています。

個人的には、血液中の抗体量を見ながら、次のワクチンを打つ時期を決めるのがより確実で効果的と思います。しかし第六波を抑え込むための、十分な検討をする時間的な余裕はありません

 

次回は、どうか次世代コロナワクチンをつくって! ワクチンの改良をお願いします、 のブログ予定です。

ついに出る! コロナの飲み薬!!

ついに出る! コロナの飲み薬!!

 

歓迎! コロナの飲み薬

コロナの飲み薬(内服薬)が活気づいています。メルク社のコロナ内服薬、モルヌピラビルの一般使用がイギリスで認められました(11月4日)。またファイザー社のコロナ内服薬、パクスロビド臨床試験で、入院、死亡リスクを89%減少させるという画期的なデータを出してきました(11月5日)。モルヌピラビルもパクスロビドも投与群で死亡者はゼロです(ニセ薬を投与された対照の群ではコロナによる死亡者が出ています。ニセ薬とは、何の作用もない物です)。

いずれも400人程度の試験ですが、特にパクスロビドの効果は相当あると考えられます。ただ、副作用については意義のあるものは報告されていないようですが、試験の人数が少ないために今後出てくるかもしれません。この点は注意が必要ですが、現在もコロナの大きな流行にある欧米では速やかに使用されるでしょう。

コロナのワクチンが半年程度しか有効でない現在、飲み薬は待ちに待ったものです!というか、こんなに早く十分有効で副作用が少なそうな飲み薬が出てくるなんて、世の中の進歩は凄いと思います。さすがは、アメリカという所でしょうか。

 

ニセ薬(対照)の群で約400人中7~8人がコロナで死亡しているのに対して、コロナ薬が使用された約400人の群ではコロナの死者ゼロです。そしてはっきりとした副作用はなしとのことですから、今後コロナの飲み薬の拡大使用は当然されるはずです。4万人、40万人と投与される過程で問題のある副作用が報告される可能性はありますが、その間、800人(飲み薬の投与4万人に対して)、8000人(投与40万人に対して)の命を救うことができると単純に計算できます。つまり、報告された400人の成績で、すでに有益性あり! と判断されていると思われます。

飲み薬の拡大使用で、もし重大な副作用が報告された場合は、重症化リスクの高い人のみに使用が限られるかもしれません。

 

 

コロナ克服の道筋が見えてきました

もちろん、日本もすぐにパクスロビドを入手して使用可能な状況にすべきと思います。ただし、なかなか薬剤が大量には手に入らないでしょう。また、現在国内で感染者が減少しており、安全性のテストに時間がかかるかもしれません(コロナに感染してない人にボランティアで飲んでいただくという方法はあると思いますが)。

 

日本では3回目のワクチン接種が始まりますので、それでさらに半年程度の集団免疫の更新ができると思います。この3回目の予防接種で時間稼ぎができますその間に飲み薬のパクスロビド、モルヌピラビルが欧米で使用されるでしょう。日本は、その効果や副作用を見ながら国内での使用を速やかに整備しておくことができます。

世界中で飲み薬は求められるので、時間稼ぎをしておいても入手が困難かもしれません。同様のより有効で安全な薬は次々と開発されると思います。日本の製薬会社に注目です。また、複数の薬の併用でさらに有効となるでしょう。

 

日本での対応のポイント

飲み薬が国内で使用できるようになると、パクスロビドもモルヌピラビルも症状が出てから早期(発症後5日以内)に治療開始する必要があるので、迅速な検査によるコロナの診断が当然重要になるでしょう。コロナの検査所と、飲み薬を処方して治療する医療施設のリンクが大切だと思います。容体をずっと把握できるという点で、軽症者の入院施設がもっとも理想的でしょうが、柔軟な対応が求められると思います。クリニックに頑張っていただくというのも合理的かもしれません。

大量の酸素吸入が必要な感染者を受け入れていただける病棟は引き続き治療の生命線ですが、重症者は減少すると思われるので、拡張はしないでよいのかもしれません。ただ、臨機応変な対応はいつも大事だとは思いますが。

 

飲み薬が出るまでは、3回目のワクチンを適切なタイミング(65歳以上の人は2022年の1月中に、それ以外の人は2月中にと想定しています)で打つことが大切と考えます。早すぎると効果が早く切れるでしょう。逆に遅すぎるとコロナにかかってしまうかもしれません。10月27日のブログ(第六波は起こらない?)でのワクチンの効果は約半年であるお話を参考にしてくださればありがたいです。

 

飲み薬が使用できるようになっても、もちろん基本的な感染防止策はするべきです。マスクは着けて、不特定な人や大勢の人がいる所に行くことは警戒してできるだけ慎むべきと思います。ワクチンパスポートが利用される場所は、かなり安全だとは思います。11月3日のブログ(この冬、新型コロナウイルスにとり憑かれない ぞ)を参考にしてください。

 

コロナは続くよ?

飲み薬でコロナの重症化は、かなり防げるようになると思われます。しかし、重症化を防ぐと再感染を防ぐ免疫ができないかもしれません。飲み薬があればコロナの流行は防げる、という意味ではありません。インフルエンザも飲み薬がありますが、平気で流行します。

相変わらずコロナのワクチンが半年程度しか有効でないのであれば、コロナはずっと存在する可能性もあります。もしそうであれば、やはり何か別のアプローチが必要でしょう。これについては後日お話しさせてください。

 

2022年度にグッと明るさが出てきました。すぐにコロナを制圧することは難しいと思いますが、有効なワクチンと飲み薬の使用で、コロナに振り回されることなく、予測のできる生き生きとした日常生活を送れるようになると思います(コロナ以前に戻れるという意味ではありませんので、日常の感染対策をとりながらです)。